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一人開発こそ、AIに役割を分けてレビューさせろ

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AIチームで概要欄AIの仕様レビュー会議をやってみた — マーケル/キカクン/ツクルン/ケイリン+GPTの4視点

「一人でやってるのに、誰がレビューするんですか?」

そう聞かれるたびに、正直ちょっと詰まっていた。でも今は違う。自分にはAIチームがいる。


仕様v4、何かが足りなかった

PiloTube(パイロチューブ)の「概要欄AI」機能、仕様書はv4まで来ていた。

機能の骨格は決まっている。YouTube動画のURLを入れると、AIが動画の内容を読み取って概要欄の文章を自動生成してくれる機能だ。SEOキーワードも盛り込んで、チャンネルのトーンに合わせて出力する——そういうイメージで設計を進めてきた。

でもv4を読み返したとき、何か引っかかった。

「これ、ユーザーが本当に欲しいものになってるか?」

機能としては成立している。でも"使いたくなるか"という問いに、自信を持って答えられなかった。一人で設計していると、どうしても「作れるもの」の視点に引っ張られる。「使う人の気持ち」が薄くなっていく。

それが問題だった。


気づき——視点が足りないんじゃなくて、視点が偏ってるんだ

ふと思った。「これ、会議にすればいいんじゃないか」と。

自分のAIチームには、それぞれ役割がある。

  • マーケル — ユーザー心理・マーケティング担当
  • キカクン — 仕様・企画の整合性担当
  • ツクルン — 実装・技術的実現性担当
  • ケイリン — 採算・コスト・収益性担当

そしてセカンドオピニオンとして GPT(ChatGPT) も使う。

「4つの視点でv4を叩いてもらって、v5にする」。それだけのことなんだけど、やってみたら本物のレビュー会議になった。


課題——AIに「役割を演じさせる」のは意外と難しい

ここで一つ壁があった。

ただ「レビューして」と投げると、AIはなんでも優しく返してくる。「よくできています」「この部分は改善の余地があります」みたいな、ふわっとした回答が来る。

これじゃ意味がない。

必要なのは、マーケルなら「ユーザーがこの機能を使う理由を言えるか?」という問いを立てること。ツクルンなら「この処理、APIコスト的に本当に成立するか?」という具体的な突っ込みをすること。

そのために、プロンプトに「あなたは〇〇の視点だけで見てください。他の視点は不要です」という制約を入れた。役割を絞ることで、返答が一気にシャープになった。


実践——4ターン+1のレビューセッション

ターン1:マーケル(ユーザー心理)

まずマーケルに投げた。「v4の仕様を見て、ユーザーが『これ使いたい』と思う理由が明確かどうかだけ評価してほしい」。

返ってきた指摘は鋭かった。

「概要欄を書くのが"面倒"だから使うのか、"うまく書けない"から使うのか、ユーザーの動機が仕様書から読めない。どちらかによって、出力のトーンも、UIの言葉も変わるはず」

これは刺さった。自分はずっと「面倒だから使う」想定で設計していたけど、実際には「書けない・書き方がわからない」ユーザーの方が多いかもしれない。その二つは、全然違うプロダクトになる。

ターン2:キカクン(仕様整合性)

次にキカクンへ。「仕様書の中で矛盾している箇所、曖昧な定義を全部リストアップしてほしい」。

出てきたのは3点。

  1. 「チャンネルのトーンに合わせる」とあるが、トーンをどう取得するのかが未定義
  2. SEOキーワードの「盛り込み方」に上限・下限の数値がない
  3. 出力フォーマット(文字数・改行ルール)が仕様に書かれていない

どれも「なんとなくわかるだろう」で流していた部分だった。実装に入ってから詰まるやつだ。

ターン3:ツクルン(実装・技術)

ツクルンには「この仕様、実装コストとAPIコストの観点でリスクがある箇所を教えてほしい」と聞いた。

一番重かったのがこれ。「動画の内容を読み取る」という部分で、YouTube APIで取得できるのは字幕データ(トランスクリプト)だが、字幕がない動画や自動生成字幕の精度が低い動画では、入力品質がそのまま出力品質に直結する。そのフォールバック(代替処理)が仕様に存在しない、という指摘だった。

「字幕なし動画のときどうするか」——これ、完全に抜けていた。

ターン4:ケイリン(採算・収益)

ケイリンへは「この機能、月額プランに含めるのか、使用量課金にするのかで採算が変わる。どちらが現実的か」と問いかけた。

返ってきた視点は「1リクエストあたりのAPIコストを試算すると、月額定額に含めた場合、ヘビーユーザーが使い倒すシナリオでコストが赤字になるリスクがある。使用回数に上限を設けるか、クレジット制にする方が安全」というものだった。

これも仕様v4には書いていなかった。「どこかで決めよう」と後回しにしていた部分だ。

+1:GPTセカンドオピニオン

最後に、4ターンで出てきた指摘をまとめてGPTに投げた。「これらの指摘を踏まえて、仕様として優先度が高い修正はどれか」と聞く。

GPTが選んだのは「ユーザー動機の定義(マーケルの指摘)」と「字幕なし動画のフォールバック(ツクルンの指摘)」の2点。「この2つが曖昧なまま実装に入ると、後で根本から設計し直す可能性がある」という理由だった。

自分の感覚とも一致していた。


結果——v5で何が変わったか

このレビューセッションを経て、仕様v5に反映したのは主に5点。

  1. ユーザー動機を「効率化型」と「品質向上型」の2パターンに分けて設計
  2. チャンネルトーンの取得方法を「初回設定で手動入力 or サンプル文から自動推定」と明記
  3. SEOキーワードの盛り込み数を「3〜5個」と数値で定義
  4. 字幕なし動画のフォールバックとして「タイトル+サムネイルaltテキストから生成」を追加
  5. 月間利用回数に上限を設けるクレジット制を採用

v4からv5、見た目の変化は地味だ。でも「なんとなく」が「ちゃんと決まっている」に変わった。実装に入ったとき、詰まる箇所が確実に減る。


教訓——一人開発こそ、役割を分けてレビューする

一人でやっていると、設計・実装・マーケ・財務を全部自分でやることになる。それ自体は仕方ない。でも「全部を同時に考える」のと「視点を分けて順番に考える」のは、全然違う。

同時に考えると、どれかの視点が必ず弱くなる。たいてい「ユーザー心理」か「採算」が薄くなる。作ることに意識が引っ張られるから。

AIチームに役割を与えてレビューさせると、自分が弱い視点を補ってくれる。マーケルは「使う人の気持ち」を、ツクルンは「本当に動くか」を、ケイリンは「これで食えるか」を、それぞれ冷静に問い返してくる。

ポイントは「役割を絞ること」。「全部レビューして」ではなく「この視点だけで見て」と制約をかける。そうすることで、各AIの返答が一気にシャープになる。

一人社長でも、会議はできる。AIチームがいれば。


次回は、v5をもとに実際の実装フェーズに入る話を書く予定。字幕なし動画のフォールバック実装、思ったより面白いことになりそうだ。

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